スーダン行きの定期船については、その乗船中に散々悪口を言ったけれども、最後の最後になって
「これはけっこう気が利いているじゃないか」
と、僕等が感心させられた唯一の事は、スーダンの『入国審査』である。実はスーダンの入国審査は下船前に、船内のオフィスで済ますことができたのだ。正直に言うと僕等は事前にそのことを全く知らなかった。でも下船前に流れた、入国審査を促す船内放送にフィリップが気が付いたおかげで、僕等は「不法入国」という間違いを犯さずに済んだのである。
僕等が昼前に下船した船着場はワディ・ハルファだったが、しかしその中心部からはかなり離れていた。それで僕等は下船した乗客を待ち構えていたピックアップに相乗りし、街まで行くことにする。ピックアップは走り出してから少しするとカスタム(税関)に立ち寄ったが、僕達外国人旅行者に対してのチェックは形式的なもので、ほとんど何も調べられなかった。
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