僕が蘭州に来たのは、この街が優れた交通の利便性を持っているからだった。中国のほぼ中央に位置し、鉄道を利用するにせよバスを利用するにせよ、蘭州では多くの選択肢の中から次に進む街を決めることができる。僕はいわば次の目的地までの「中継地点」として蘭州に来ようと思ったのだ。
駅前の宿に1泊した翌日、僕は意外にも朝早く目を覚ました。(といっても9時頃だけど。)上海にいたときと同様、蘭州でも特にすべきことは何もない。かといって一日中部屋でゴロゴロしているのも退屈なので、黄河だけでも見てこようと街へ出た。地図を見ると、黄河は、駅から約3キロメートル北を流れている。3キロというのは微妙な距離だ。バスを使ってもいい距離だけど、ヒマなので歩いて行くことにした。
「それにしても環境が良くない。」
およそ1時間かけて黄河に着いたときに僕が考えていたことは、川についてではなくて大気についてであった。それというのも街を歩いただけでも空気の悪さが実感できたうえに、天を見上げれば晴れているのにもかかわらずハッキリしない空色が目に映ったからだ。そして肝心の黄河といえば、「茶色く濁った、ただの大きな川」にしか見えなかった。僕はガッカリして繁華街へ戻ることにした。
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