ラサに到着した翌日、僕達は一日の大半を宿のドミトリーで過ごしてしまった。まず、起きたら既に昼を過ぎていた。昨夜は12:00頃にチェックインしてすぐに床に就くいたのだが、まさか半日以上も眠ることになるとは思わなかった。34時間かけての5000m越えは、頭で考える以上に身体には負担だったみたいだ。それでその日の午後は食事のために外出した以外は、ずっと部屋で他の旅行者達と他愛の無い話をしていた。F原君だけは「(高山病で)まだ頭が痛い」と言って、ずっとベッドにもぐっていたけれど。
次の日の朝は早起きをし、たまっていた汚れ物をまとめて手もみ洗いした。それをドミトリーの天井から下げた洗濯紐にかけていると、なんだか不思議と観光したい気持ちになってきた。昼間から暗い部屋に閉じこもって、干してある自分のトランクスやらソックスを眺めて一日過ごすのが嫌だっただけかもしれないが。
考えてみれば日本を出て以来、僕は観光らしい観光を一度もしていない。たまには旅行者らしい事をしてみるのも悪くないだろう。僕はガイドブックを開いて行き先を検討し、頭の中でつぶやいた。
「ゴンパでコルラしよう。」
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