それからビールを飲み干し、ブイヤベースもキレイにたいらげて満足した僕は精算のために係りを呼んだ。係りから渡されたレシートを見るとブイヤベースが28.5ユーロ、ビールが3.5ユーロで合計32ユーロとなっている。安くないとは思っていたけれど、予想以上の金額だった。ビールなんて店で買えば2ユーロもしないのに。
僕は断腸の思いで20ユーロ札、10ユーロ札、5ユーロ札を出し、係りに渡す。レシートを見るとサーヴィス料が含まれていないことがわかったので、お釣りはチップにして店を出た。これで今日の出費は宿代35ユーロ、パーティ・ストリングス10ユーロ、夕食がチップ込み35ユーロで合計80ユーロ、日本円にして10,400円である。とてもバックパッカーの一日の費用とは思えないが、これは僕が悪いのではなくて
「海の青さのせい」
であると、そう考えることにした。つまり、「ニースで列車を降りたのも『海の青さのせい』なのだから、この散財も『海の青さのせい』にすればいいや。」と、そう責任転嫁することにしたのである。この散財が元でアヴィニヨンで屋根裏部屋に宿泊するハメになるとわかっていれば、とてもそんなお気楽な気持ちでいることはできなかっただろうけど。
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